TWVの日2025山行(室堂平~奥大日岳)の報告

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山と仲間は「人生最高の財産」

OB会会長 中西 修(S50入部)

 日本列島を焦がすような2025年夏の灼熱地獄から逃れ、今年2回目を迎える「TWVの日」山行は、8月23日、24日両日、爽やかな風が吹き抜ける立山・雷鳥沢で開催しました。今回は大先輩の早東 昇さん(S43年入学)が千葉から、同期の小林 茂雄さん(S43年入学)、篠原 達雄さん(S46年入学)が初参加。また、昨年に引き続き、前会長の松田 誠さん(S44年入学)、今年も短パン姿で颯爽と大阪から金坂 正比古さん(S46年入学)、愛知から鈴木夫妻(S48年入学)など幅広い年代から23名のOBの皆さんが立山に結集しました。そして、今回初めて現役部員を招待し、10名が参加してくれました。総勢33名で、年の差は60歳位ありましたが、山への想いは皆同じ、天候にも恵まれ楽しい山行となりました。

 今回は、前年の薬師岳の反省から体を鍛え直してきた人も多く、初日は軽い足取りで室堂から宿泊場所の雷鳥沢ヒュッテに向かいました。ここで待っているのは、今回の山行の第一目的?である露天風呂です。眼下には色とりどりのテントが所狭しと立ち並び、夏山の賑わいと現役時代の夏山合宿をダブらせながら、ゆったりと湯につかって、登山というより日常の疲れを癒しました。そして、夕食後は恒例の懇親会です。OB、現役が入り交じって車座になり、小林さんの乾杯発声の後、一人ひとり自己紹介と近況報告を行いました。ワンゲルの懇親会につきものなのは歌です。松田前会長が音頭をとってOB全員で「浄土の山男」を合唱、ただ残念ながら現役部員にこの歌は受け継がれていないらしく、ポカンとした様子でしたが、会は最高潮に達します。今回、初めてお会いする早東、小林両先輩によって、当時のワンゲル、浄土小屋管理の状況、かつ、富山大橋が沈下した昭和44年の集中豪雨当時のワンゲル部員の猛者ぶりを知ることができました。一方、現役部員からは、部活動のスタイルや学部の変遷などを聞き、時代の移り変わりを実感しながら、酒を酌み交わし有意義な時を過ごしました。

 2日目は、奥大日岳往復、浄土小屋往復、室堂散策の班に分かれての行動となりました。私は奥大日岳往復班でした。奥大日岳は1年生当時、春山合宿で登った思い出の山、また、当時、大学が一般学生を募り、ワンゲル部員が浄土小屋を拠点に周辺をガイドするオープン登山で登った馴染みの山です。ただ、現役、OBの中にも奥大日岳は初めてという人がいて、室堂乗越からは雄大な剣岳を見ながら新鮮味あふれる登山となりました。参加者の皆さんは、日頃の鍛錬の成果が出ていたようで、しっかりとした足取りで全員、奥大日岳の頂を極めました。

 年を重ねるごとに、山は「楽しい」から「ダヤい」に代わってきましたが、学生時代、一つの目標に向かって、共に汗を流した仲間とまた、語らい、汗を流すことができるのは、人生最高の財産です。

 最後になりますが、6月に現役部員との交流促進とOB会維持のため、寄付を募ったところ、71人の方から60万2,000円(2025年8月現在)の寄付金が寄せられました。皆様のご厚意に深く感謝申し上げます。寄付をいただいた中には、音信不通になっているOBの方も見受けられ、皆さんのワンゲル愛を感じました。そして、今回、この寄付のおかげで、現役部員を招待することができました。現役部員と連携、サポートしながら運営していくのがOB会の在り方だと思っています。今後とも現役部員とともに会を盛り上げていきたいと思いますので、ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 今回、参加されなかったOBの方は、来年こそ参加されますよう心待ちしております。

第3回「TWVの日」山行(TWVの日2026山行)の提案
 TWVの日2025の集会で、参加者から新しくなった浄土小屋(正式名 富山大学立山施設)で、という希望が多数寄せられました。執行部で今後、大学側と交渉することにしています。
 不調に終わった場合について、参加者から久しぶりに立山三山に登りたいという人もいて、下記第2案も提案いたします。

【第1案】
◇日程    2026年8月29日(土)30日(日)
◇目的の山  浄土山(浄土小屋) 
◇検討課題  ・シュラフを各自持参しなければならない
       ・自炊をどうするか(食料の荷揚げを含めて)

【第2案】
◇日程    2026年8月29日(土)30日(日) *第1案と同じ
◇宿泊場所  室堂山荘(予定)
◇目的の山  室堂を拠点に、立山三山、及び周辺などを選定

以上

集合写真・動画

(写真をクリックすると拡大されます)

室堂にて(8月23日11:30頃)


雷鳥沢ヒュッテ前にて(8月24日6:20頃)

奥大日岳ピークにて(8月24日9:00頃)

【動画】S60 杉野 一郎さんより提供いただきました

参加者の声

S43 小林 茂雄さんTWVOB会に参加して

 初めてTWVOB会に参加して、共に語り合い、共に登る喜びを味わうことができました。これまではどちらかというと一人でテントを担いで山へ行くことが多かったのだけれど、今回TWVOB会へ参加して仲間と一緒に登る喜びを知ることができました。
 懇親会では、互いにワンゲル時代の思い出や現在の様子などを語り合いました。富山、金沢はもちろん、遠く京都、愛知、千葉、さらには隠岐の島からも来られていました。現役の学生も多数参加されて大いに盛り上がりました。また、昭和43年入学の同級生早東さんとも何十年ぶりでお会いすることができてなつかしさでいっぱいでした。ワンゲルの思い出や近況を語り合い、これからもお互い元気で過ごしましょうと話し合いました。
 奥大日岳は、仲間と一緒に登るには最適なコースでありました。なだらかな山で、高山植物も豊かで、周りの景色も素晴らしかった。立山三山、浄土山、室堂平、地獄谷が見渡され、稜線からは剱岳を見ることができました。ゆっくりと気持ちよく進むことができました。雷鳥沢から室堂乗越までは、木道で両側にはシナノキンバイやハクサンイチゲ、ハクサンコザクラなどが咲き誇っていました。室堂乗越に至ると突然剣岳が白雲の中で堂々と見えてきました。稜線からは、右側に剱岳、左側に立山を見ながら進みました。そしてついに奥大日岳の頂に着くことができました。みんなで万歳と言って写真を撮りました。鈴木さんからいただいたリンゴをとてもおいしくいただきました。ドイツの詩人ゲーテの言葉「なべての頂に憩いあり」ということを体感することができました。
 このように素晴らしいい山行を味わうことができたのもお世話してくださった会長さんをはじめ役員のみなさんの努力のおかげと改めて感謝するしだいであります。今後とも

TWVOB会の山行が続くことを念じてやみません。
「Go climb again.」

S46 金坂 正比古さん

 今回の山行の醍醐味の一つとして、富山市内から、一気に室堂に行けることでした。おかげさまで、電車、ケーブル、バスなどの乗り換えのストレスなく、体力温存して、今回の山行に備えることか出来ました。それでも、雷鳥沢ヒュッテの懇親会ては、早くにダウンしてしまいました。翌日は雷鳥やクマなど野生あふれる動物に遭遇し、びびりながらも、快晴の浄土山を回り、無事に室堂まで、散策出来ました、今回の山行準備、運営など役員の方々には大変感謝するしだいです、来年もぜひ参加したいと思っております。

S46 篠原 達雄さん

 先日は楽しい山歩き🚶、有難うございました。十数年ぶりの雷鳥沢ヒュッテに泊まりました。その時は大日経由で称名滝に下山しましたが、今は無理です。

S61 石川由香さん

 春先の左脚の不調で参加を迷いましたが、雷鳥沢ヒュッテでOBと現役部員の皆さんにお会いするだけでもいいと思い、申し込みました。当日は天気も良く、北アルプスの稜線を見渡せる景色は格別でワクワクしました。経験豊富な先輩方と元気な現役部員がいて、楽しく安心して参加することができ本当に良かったと思います。
 しかし、私の体力の無さでグループのペースはゆっくり。時々、低山には登っていたけど普段だらけているとすぐ筋力は衰えますね。そのためか下りで転んでしまい、皆さんにご心配をおかけしました。反省しきりです。情けない顔の打撲痕は2週間程ですっかり治り元の顔に戻りました。
 来年も参加するために自分に合ったトレーニングを考えてみたいと思います。10年後もその先も元気な先輩方のように山に登れますように。そして今回のようにコース選択ができると続けて参加できるような気がします。計画してくだった役員の皆様、ありがとうございました。

S50 高桑 章吉郎(TWVOB会副会長/事務局) 
     ~TWVの日2025 奥大日岳登山 雑感~

 「TWVの日」が制定されてから二回目の登山、今年は室堂雷鳥沢ヒュッテを基点に奥大日岳を目指すことになりました。昨年の薬師岳(折立~太郎平小屋~薬師岳ピストン)は天候が悪かったこともありますが、OB会の山行としてはややハードであったとの反省を踏まえての奥大日岳となりました。
 今回も室堂散策Aグループ、ゆったり奥大Bグループ、健脚奥大Cグループ、サポートを兼ねた奥大Dグループの4グループに分けての山行としました。(全33名内現役10名) 概ねBCDグループとも同じ様なペースで行動でき、天候も良く、良い思い出を作っていただけたかと思います。解散の時には「来年も必ず参加します」「来年も連絡待ってます」「楽しかったです」との声を多く頂き主催者側としても嬉しく思っています。
 初日の夜の食事の後、大広間をお借りして1時間半ほどのミーティングを行いました。自己紹介やOBの近況報告、現役の活動状況等々のお話をお伺いし、OB・現役とも時代の違い、世代の違いに驚くことも多かったようです。また、来年の山行、再来年の75周年事業に対するご希望や要望も聞かせて頂きました。大学の許可の問題はありますが浄土小屋での宿泊登山、立山三山の縦走等の要望がありました。また役員会で検討し皆さんにお伝えしたいと思います。
 最後になりますが、今回参加頂きました23名のOBの皆様、10名の現役の皆様本当にありがとうございました。この紙面をお借りし御礼申し上げます。役員会と致しましても「TWVの日」の山行が定着するよう今後も魅力ある計画をお届けしていきたいと思います。今回ご参加頂きました皆さんには来年もまた参加頂くと共に同期生、ご家族、ご友人の参加も大歓迎ですので合わせてお願い申し上げます。

会計報告

会計 藤岳亮子(S50年入部)

下記の通り、会計報告をいたします。

【収 入】金 額 備 考
参加費 565,000 円25,000円×22名
15,000円×1名(現地参加)

現役部員(10名):無料
収入合計565,000 円
【支 出】金 額 備 考
宿泊費429,000円雷鳥沢ヒュッテ
13,000円×33名
貸切バス代281,600円貸切バス代 88,000円×2回
有料道路代 52,800円×2回
懇親会費用33,586円飲み物、おやつ等
保険料9,933円301円×33名
バス代振込手数料440円
支出合計754,559円

【収入】565,000 円 - 【支出】754,559円 = -189,559円

不足分の189,559円はOB会会計から補填しました。

山行記録

宮倉 由香里(H10)、大野 麻波(S61)、北上 眞二(S51)

◆登山日:令和7年(2025年)8月23日(土)~24日(日)

◆参加者 33名(OB/OG:23名、現役部員:10名)
    男性:20名(OB:14名、現役部員:6名)

     女性:13名(OG:9名、現役部員:4名)
 【参加者OB・OG氏名】 *:OB会役員

小林 茂雄(S43富山県)、早東 昇(S43千葉県)、松田 誠(S44富山県)、
金坂 正比古(S46大阪府)、篠原 達雄(S46富山県)、鈴木 直(S48愛知県)、
鈴木 栄(S48愛知県)、高桑 章吉郎*(S50石川県)、中西 修*(S50富山県)、
藤岳 亮子*(S50富山県)、細川 茂(S50富山県)、北上 眞二*(S51富山県)、
中塚 知子(S53富山県)、森川 敏男(S53長野県)、遊馬 英子(S53京都府)、
竹内 尚子(S54東京都)、杉野 一郎(S60愛知県)、石川 由香(S61茨木県)、
大野 麻波*(S61富山県)、井上 雅文(H01京都府)、辰己 清美(H06石川県)、
宮倉 由香里*(H10石川県)、斎藤 拓哉(H24島根県)

◆グループ分け

グループコースメンバー
Aグループ室堂周辺散策OB/OG:6名、現役部員:2名
Bグループ奥大日岳往復・室堂乗越往復OB/OG:6名、現役部員:4名
Cグループ奥大日岳往復OB/OG:7名、現役部員:2名
Dグループ奥大日岳往復OB/OG:4名、現役部員:2名

1日目 8月23日(土) 晴時々曇

9:00富山駅北口 出発(貸切バスに25名乗車)
9:20新富バスセンター(貸切バスに7名乗車)
10:10立山あるぺん村にて休憩
11:30室堂ターミナル 到着
記念撮影の後、グループごとに昼食・雷鳥沢ヒュッテに移動
13:00雷鳥沢ヒュッテ Dグループ到着、現地でOB1名と合流
順次 C、Bグループ到着  気温19度
14:40雷鳥沢ヒュッテ Aグループ到着
各自、散策、露天風呂、昼寝、懇親会など自由行動
17:10夕食
17:50全体懇親会(約1時間半)

 初日はとてもよい天気で、下界では富山37度の予報でした。貸切バスで富山北口駅を出発後、新富バスセンターで7名合流し、32名で室堂へ。室堂は大勢の人がいて、「立山」の石の前から少しはずれたところで記念撮影を撮りました。雲もかかっていましたが、青空でよい天気の中、グループに分かれて昼食を取り、雷鳥沢ヒュッテに向かいました。多くの観光客や登山者とすれ違いながら、みくりが池や血の池、地獄谷を見ながらコンクリートで固められた石段を進みました。雷鳥沢ヒュッテに到着後、各自自由行動をとりましたが、Dグループとほぼ同時に現地合流のOBもヒュッテに到着されました。散策に行く人、写真を撮りに行く人、昼寝をする人、露天風呂に入る人、懇親会の”練習”をする人など、夕食までの間は、自由行動を満喫しました。全体懇親会の様子は、「会長挨拶」、「参加者の声」をご覧ください。

2日目 8月24日(日) 晴後曇

全 員

5:50朝食
6:20~グループごとに雷鳥沢ヒュッテを出発
Aチーム①(3名);室堂へ

Aチーム②(5名):浄土山経由で室堂へ
Bチーム①(2名);室堂乗越で引き返し室堂へ
Bチーム②(8名)/Cチーム/Dチーム:奥大日岳往復へ

Aチーム①(OB3名)

6:30雷鳥沢ヒュッテ 出発
9:30室堂ターミナル 到着

 雷鳥沢ヒュッテから、室堂まで”直登”コース。「万里の長城」のような石畳の階段を、周りの山々や、遠くに他チームの行動を眺めながら、ゆっくりと室堂まで移動しました。室堂ターミナルで室堂乗越コースのBチーム①(OB1名、現役部員1名)と合流し、「レストラン立山」で昼食後、「ティーラウンジりんどう」の水出しコーヒーを味わいながら、昔話で盛り上がりました。

Aチーム②(OB3名、現役部員2名)

6:30雷鳥沢ヒュッテ 出発
雷鳥沢野営場経由で一の越へ向かう
(※)
9:00一の越到着(熊出没のため、安全が確保されるまで足止め)
10:00浄土小屋 到着
12:00浄土小屋 出発
13:10室堂山展望台にて休憩
13:45室堂ターミナル 到着

 体力がなくコースタイムの2倍近くかかりました。雷鳥沢から見る景色は新鮮でした。天候にも恵まれ良い山行でした。途中、すれ違ったパーティから一の越で熊出没の情報を得た通り、一の越との分岐点で浄土へ向かう崖の下の藪に熊がいるのを目撃しました。
(※)母恋坂(神の道):9月に入って熊の目撃情報が多発したため、一時的に通行禁止になっています。

Bチーム②/Cチーム/Dチーム(ほぼ同一行動)

6:20雷鳥沢ヒュッテ出発
7:30室堂乗越。Bチーム①の2名はここで引き返し室堂に向かう
9:00奥大日岳頂上に到着。記念撮影、各自休憩
9:30奥大日岳 出発
10:45室堂乗越にて休憩
11:40雷鳥沢ヒュッテ 到着
12:15~グループごとに雷鳥沢ヒュッテ 出発
13:15室堂ターミナル 到着

今日も天気がよく、室堂乗越からは宿泊した雷鳥沢ヒュッテや雄山、浄土などもきれいに眺めることができました。尾根に出ると剱岳、早月尾根、早月小屋も見ることができました。頂上では記念撮影をし、各自ゆっくり過ごしましたが、徐々に雲も出てきて人も増えてきたため、名残が惜しいですが30分程で下山をしました。

全 員

14;00室堂ターミナル 出発(貸切バス)
15:40新富バスセンター 到着 10名下車・解散
16:05富山駅北口 到着 全員解散

皆さん、お疲れ様でした! また、来年TWVの日2026でお会いしましょう!

スナップ写真

(写真をクリックすると拡大されます)

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